地元のジャズFMスタジオが、レコードコレクションを全て放出して一枚$3.99で販売する、との情報を入手。それも今週末限りのイベントだそうで。これは逃す手は無いなぁ。週末の割りには早起きして行ってみると、まだ箱から出してラベルを貼っている作業の最中だった。実はこのあとジャズフェスティバルへ行く予定があったし、今月は何かと散財気味なので5枚を上限に物色した。ラジオ局だけあって、レコード全てに「非売品」という刻印がしてある。「これはサンプルです。販売することは違法です。」と書かれてる。堂々と売り出されてるけど、新しいものでも1985年物なので大丈夫なんだろうな。30分くらい物色してゲットしたのは以下のもの。
Miles Davis "Directions"
Miles Davis "Time After Time"
Miles Davis "Big Fun"
Art Blakey "Hard Drive"
Art Blakey "Blue Note 4003"
Oscar Peterson "A Rare Mood"
Cannonball Adderley "Cannonball in Europe (Live)"
程度は悪くない。ジャケットは疲れてるものもあるけど、肝心のレコードは反りもなくひどいノイズもなく普通に聴けるレベルだ。これは儲けものだった。って、あれ?5枚以上あるね(^^;)
その後隣街まで出向いてジャズフェスティバルへ行ってきた。パナマ出身のピアニスト、Danilo Perezのライブコンサート。この人の曲を聴くのは実は初めてだけど、友人がジャズミュージシャンでもあり、お勧めということなので一緒に行った。今日は3連休の初日でものすごい良い天気だったから客足は鈍いんじゃないかな、と思ったけど、始まる頃には会場の8割は埋まっていた。Danilo Perezは南米出身だけあって躍動的でユーモアたっぷり。聴衆と一体になって全身で演奏するスタイルで、自然と体が動く、そういうジャズだった。楽しげな中にも優しさがあり、何曲かとても気に入った。アマゾンでCD探そう。コンサート後、サイン会があったみたいだけど、混んでいたし別の目的があったので早々に退散。
別の目的というのは、友人のスピーカー選び。彼は現在ソナス・ファベールのミニマ・アマトールを使っているが、そろそろアップグレードがしたいとのこと。彼は自分もミュージシャンだけあって、耳は物凄い鋭いと思う。(まだ)オーディオマニアではないのでオーディオ的な理屈に詳しくなくても、スピーカーから出る音に対して的確な感想を述べる人だ。つい最近までSACDの存在すら知らなかった彼だけど、同じ曲をCDとSACDで何曲か比較させたら音の傾向の違いを非常に的確に指摘した。さすがに普段から本物の音楽に接している人の鍛えられた耳は違う。こういう人と話をしていると勉強になる。
オーディオ店でオーディションしたスピーカーのうち、総額7万ドルのセットを試聴。クラッセのパワーにリンのソース。スピーカーはB&W 802D。ポルシェが買えるセットから出てきた音は、正直言ってガッカリ。ベートーベンのピアノ協奏曲第三番・第一楽章でのデモだったけど、やっぱりクラシックはマルチじゃないと音が平面的で聴いていても全然うらやましくない。その後ウィルソンのデュエットを中核とする2万5千ドルのセットで同じ曲を聴く。しかしこれも何だかなあ・・・。やっぱり2チャンネルステレオというのは、もはやいくら掛けても、どんなシステムで聴いても頭打ちだ。「CD」と言う原罪を克服しない限り、何をやっても無駄だと思う。家に帰って来て1万ドルしない僕のSACDマルチシステムで同じ曲(仲道郁代・バーヴォ・ヤルヴィ指揮のSACD)を聴いて、思わずニンマリしてしまった。7万ドルあったら僕なら間違い無くコレとポルシェを買う。
ちなみにその友人は私にソナスのミニマ・アマトールを「言い値で譲る」と私を誘惑してきた。残念ながら今月は散財しまくったので、無理です。これが1ヶ月前の誘惑ならすぐにでも買っていたに違いない。危なかったというか、惜しいと言うか。ミニマ・アマトールは好きなタイプの音がする。僕が彼なら売らずに取って置くんだけど。そう進言してみようかな。