イタリアのソナス・ファベールのスピーカーをいくつか試聴してみた。現在マッキントッシュにつなげているAllison Threeは今年で27年選手、もうそろそろ第一線を退いてもらって寝室にでも持って行って余生を過ごしてもらおう。そこで後継となるスピーカーを何となく探している。今日聴いたのはCremona M、Auditor M、Amati Anniversario、そしてStradivari Homage。狙っているのはCremona M、Auditor M、あるいはElipsa。残念ながらElipsaは置いていなかったので試聴できなかった。
Cremona Mはソナス・ファベールの代名詞みたいなスピーカーで、決して安くは無いが永く使うならこれくらい出してもいいと思えるデザインと音。現在メインで使っているVienna Acoustics Beethoven Concert Grand (T-3G) と比較すると、より音に実体感があってメリハリのある音だ。対する我らがT-3GはCremona Mと比較すると何となくお腹がゆるい音がする。旧いCremonaの時はT-3Gが価格・音質ともに圧勝だと思ったけど、Cremona Mになってから不満だった点が解消している。これなら「欲しい」と思える仕上がり。でも価格差は2倍以上、T-3Gは本当に驚異的なコストパフォーマンスだと思う。
次に狙っているのは弟のAudior M。こちらはブックシェルフ型で、基本的にブックシェルフスピーカーは好きではないけど、これだけは別。Auditor Mは大編成のシンフォニー以外なら何の不満も無い。試聴にはホルストの惑星のうち「天王星」を聴いたが、低音の量感が若干不足気味な以外は逸品だ。Auditor Mのスタイルは個人的には最も美しいスピーカーのひとつだと思っている。ちなみにAuditor Mにするならばグラファイト。上の写真のメープル仕上げだとスタンドとの対比がちょっと唐突かな?一緒に行った友人も含めてほとんどの人はメープルの方が好みらしいが。Cremona Mにするならメープルかも。次回買うスピーカーは応接間に置くので本当は威圧感の無いAuditor Mが理想なんだけど、価格はCremona Mとそう違わないので非常に迷うところだ。
しかし大本命、というか一番欲しいのはElipsa。価格はCremona MとAuditor Mを足したくらいになるけど、Elipsaのデザインは非常に好みだ。Cremona Mより前にでっぱらないのがいい。それに実はCremona M程度だとT-3GやAllison Threeと比較して「アップグレード」と言える程でもないのが最大の理由。まぁ、これくらいの価格帯になると流石に奥様に相談しなければならない訳で、そうなると却下率100%は下らないだろう。何らかの奇跡が起こらない限り、Elipsaは夢で終わりそうだ。まあとにかく試聴できるところを探してまずは聴いてみよう。
ちなみに間違って(?)StradivariやAmatiも聴いてしまった。Amatiはそうでもなかったが、Stradivariの超絶美音にはシビレて倒れそうになった。もちろん組み合わされていた機器も凄かったが、とにかくStradivariでマルチを組んだらさぞかし恐ろしいことになるなぁ、と帰りの車の中で夢想していた。予算以上のスピーカーは聴かないに限る。でも聴きたい。果てしないオーディオの世界・・・。