外が寒く暗く雨ばかり降るこの地域の冬は、音楽を聴くには最高の季節だ。クラシック音楽にも冬をテーマにした曲は数多いが、たまにはクラシック以外のアルバムをご紹介。
Sting "If on a Winter's Night..."
ドイツグラモフォン移籍第2弾のリリースがこのアルバム。これは主にイギリス伝統のわらべ歌や子守歌、クリスマスソング、そしてスティングのオリジナルの曲をアレンジした冬をテーマとした作品だ。スティングの声は聞きようによってはトランシーバーから聞こえるような声で、個人的には特に好みでも無いが独自の雰囲気と世界がある声だと言う事は認める。ドイツグラモフォンに移籍してからはダウランドの曲を歌ったりしてロックからは離れたところで活動をしている最近のスティング。「The Police」時代から聴いているが、最近のテイストの変化はマチュアしたせいだろうか。
Sarah Brightman "A Winter Symphony"
2008年リリースのサラ・ブライトマンの冬をテーマとしたアルバム。この年のツアーで彼女のライブを観たが、その時の選曲の多くはこのアルバムからのものだった。失礼ながら年齢よりもずっと若く瑞々しい声は健在。クリスタルのように透明で冷気を帯びた彼女の声は、まさに冬にピッタリだ。
Enya "And Winter Came..."
冬にピッタリと言えば、Enyaも負けてはいない。このアルバムも2008年発表のものだ。雪女が歌ったら、こんな感じになるのかも知れない。暖炉の横でココアを飲みながら聴いていたい、そういうアルバム。最後の「Oíche Chiúin」(きよしこの夜)はゲーリック語で歌われ、エンヤ自身の声をいくつも重ねてまるで教会の中で歌っているかのような重厚で神聖な美しさが逸品。是非一聴をお勧めしたい。