妻が日本へ里帰り中で、それも昨日から18連休という日本ではちょっと考えられないような休暇を取っているので、現在私は家でやりたい放題である。私も日本に帰る事を考えたが、日本に帰るとゆっくり休めないので今回は見送った。
独り身になればマッキンとエリプサを設置している生活空間であるリビングルームも、オーディオルームに早変わりである。まず余計な家具は端に追いやり、そしてエリプサを普段より50cmほど手前に持ってきた。これで後ろの壁との距離は1mとなり、かなり自由空間が増えた。
エリプサやストラディヴァリのような幅広バッフルを持つスピーカーは、中高域において周囲の壁の影響をあまり受けない。実際に大胆に手前に移動しても音質や鳴り方そのものにはあまり変化は見られないが、再生される音や音楽は劇的に良くなった。ひとつの理由はリスニングポジションと左右のスピーカーとの距離がほぼ正確に正三角形になったこと(以前は二等辺三角形)、そして後ろの壁から離れた為に低音の締まりが良くなったこと。低音は量感は減ったものの、もっとオーソリティーを持った低音へと変化し、こちらの方が好みだ。また、スピーカーが多少近くなった事で音が固まりとなって飛んでくる感じが強くなり、オーディオ的な満足感も増したように思える。
しかしここはあくまでもリビングなので、オーディオ用に最適化されていない。左右スピーカーと左右の壁の距離は全く違うし、天井高も左右で1.5倍ほど差がある。右スピーカーの近くには液晶テレビがあるなど、まったく理想とは程遠い。しかしスピーカーを手前に移動しただけでここまで劇的に改善するのを目の当たりにすると、やはり専用室が欲しくなってしまう。2階にある専用室はマルチ用として使用していてエリプサを置くスペースは無いし、新しく家を建ててオーディオ専用室を造りたい気持ちが強くなってきた。
今までの音にも満足していたが、まだまだエリプサの実力はこんなもんじゃないと知っただけでも勉強になった。やはり部屋はスピーカーの延長であり、ここから手を加えないといくら機器に投資しても無駄だ。ちょうど妻と引っ越しの話をしていた事もあり、タイミング的には良い。向こう2年計画であちこちのリスニングルームを研究することとしよう。